日本の歴史を考える そもそもサケマス・鮎はなぜ秋に川を遡って卵を産むのか?2016/01/20 19:59

日本の歴史を考える そもそもサケマス・鮎はなぜ秋に川を遡って卵を産むのか?


日本人が出来るまで 温暖化による海水面の上昇が、異なる民族を出逢わせ、縄文文明が誕生した。
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/01/17/7994381
のつづきです。


ほとんどの魚は、アマモ場と呼ばれる沿岸の海藻帯に卵を産みつけます。

ところが、鮭は、ほとんどの時間を海で過ごすのに、産卵期には川を遡って卵を産むのです。

考えてみると不思議ですよね。

どうですか、その理由、皆さん分かりますか??



その答えは、気候にあると思います。

鮭は北方系の魚です。

鮭が遡る川のほとんどは、冬場、氷や雪に閉ざされます。

鮭は、こうした川の湧き水がある場所に産卵するのです。


そうすると、湧き水は、温度が一定していますので凍りませんが、川は雪や氷で覆われていますので、外敵が卵や稚魚を食べにくいのです。

その結果として、鮭が繁殖したということが言えます。


そのために、鮭の卵は魚卵としてはとても大きく、その栄養素だけで魚がふ化してしばらく育つことが出来るように出来ているのです。

鮭は雪解け水と共に川を下ります。



鮎もまた秋に川で産卵する魚ですが、鮎は産卵後10日から14日でふ化し、直ぐに海に下ります。

鮭とは違う方法なのです。

鮎は、中緯度地方の魚です。
なので、必ず川が凍るということがありませんから、沢山の卵(数万)を生んで、その稚魚が海でプランクトンを食べ、川が春になって食料豊富になってから遡ってくるという方法を採用しているのです。



サクラマス(ヤマメ・アマゴ)は、もうちょっと複雑な方法を採用しています。

サクラマス(ヤマメ・アマゴ)が居る川は、鮭が居る川ほど北方ではなく、鮎が居る川と同じような川なのですが、産卵場所が上流域なのです。

鮎は、川を下って産卵しますが、サクラマス(ヤマメ・アマゴ)は、川を遡って産卵します。
支流の枝沢が産卵場所です。

なぜ、この場所に産卵するのか?というと、外敵に狙われにくいためです。
サクラマス(ヤマメ・アマゴ)も鮭と同じように、卵の栄養分だけで春まで生存可能ですから、湧き水があり、水温が一定していて、なおかつ水面が雪や氷で覆われる場所で産卵するわけです。


サクラマス(ヤマメ・アマゴ)も春になると、雪解けの増水に合わせて川を下りますが、川を下るのは、生後1年経ってからと言われています。

他の魚に食べられないような大きさになってから、川を下るのです。


縄文時代の人々にとって大切な食料(もちろん現在でも大事ですが)だったはずのこれらの魚達。

このうちサクラマス(ヤマメ・アマゴ)と鮎は、東アジアの中小河川にしか居ません。

それから、他にもイワナやアメマス、カラフトマス、紅鮭、イトウなどが日本を含む東北アジア地域に居ます。


これらの海に下ってから遡り産卵する魚達によって、我々人間を始めとして熊やキツネなど動物の命も育まれ、その結果として森も豊かになっていったというのが、縄文時代の姿なのです。

魚達が川を遡ってくることによって、河川流域には豊富なミネラルや栄養分が運ばれ、森はより豊かになっていくわけです。

そしてその森が、海のプランクトンを育て、豊穣な海の恵みを育むというわけです。

もちろん、それらは、最初から上手くいっていたわけではなく、様々な失敗=たとえば、魚を穫り過ぎて川に帰ってこなくなってしまったとか、効率的に魚を穫ろうとして毒を川に流して、魚が穫れなくなったとか、木を伐採し過ぎて赤土が海へ流出し、藻場が赤土で覆われてしまって魚介類が減ったとか、様々な経験を通じて、これをやってはいけないという禁忌が出来て、それが共通理解となり、1万年以上に渡る、豊穣な海と森と川を維持出来たということなのだと思います。

なので、狩猟採集をしていた当時の人々が、最も大切にしていたことは、海の幸も川の幸も森の幸も、全て美味しく食べ続けることが出来るような仕組みだったということです。


大事なのは、少なくとも、縄文時代の日本人達は、『失敗に学んだ』ということなのです。
それが、1万年以上に渡って、文化・文明を維持出来た仕組みです。

いまだに失敗から学ばない人達が日本にも世界中にも沢山居る中で、どのように生活環境を維持するのか?生存権を確保するのか?

その土地のもたらす生産性を確保するのか?
争いは、どのように鎮めるのか?
その根本の仕組みを探るべく、もう少し歴史について考えていきたいと思います。


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