シリーズ『服について考える その2』驚愕の事実 1990年に50%だった日本製の服が、2015年には2.8%にまで減っている!!2017/01/06 22:47

シリーズ『服について考える その1』もはや衣服の日本国内生産は、たったの3%!! ―
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2017/01/02/8300806
のつづきです


最近調べていて驚いたことがあります。
それは、2015年の日本繊維輸入組合の「日本のアパレル市場と輸入品概況」を見ると、日本製の服の割合は、日本で販売されている服のうちわずか2.8%だというのです。

日本の工場の方から「日本製は8%くらいしかない」という話は聞かされていたのですが、まさか2.8%まで低下しているとは。


筆者が服職業をやろうと志した頃1990年の時点では、日本製の服は、およそ50%でした。
筆者は、当時日本や欧州のデザイナーが作り出す服に憧れて将来的に服職業をやろう思ったのです。

そして、その思いは実現して実際に服職業を本業にしているわけですが、しかし今では、日本製は2.8%になっている。
自分の国で生産している服がたったの2.8%の国というのは、果たして国として正しい姿なのでしょうか?

衣食住というのは、人の生活の根幹をなすものです。
服というのは、ただ防寒のためにあるのではなく、自分や社会のアイデンティティを支えるものでもあります。
それを作り出す基盤すら既に失っているのは、文化的・社会的に危機的状況にあると言えるのではないでしょうか?


筆者は、元々服の輸入販売と一部自作という形態からスタートしましたが、ファッションのコアなブランドやデザイナーを扱っていたせいで、日本の様々なデザイナーや生産の関係者と知り合うようになり、日本や世界の服産業の問題点を多く知るようになり、日本でどうしたら服を作って売れるのか様々な人々と智慧を出し合ったり、活動したりしてきました。
ですが、未だにこの危機的状況を変えることが出来ていません。

本当にこのままだと、日本で服を生産することが不可能な世の中になってしまうのではないかと現在危惧しています。


「俺は考えるのが面倒くさいからユニクロしか着ない」と言っていた、ある文化人の事を思い出しますが、まさにそうした思考停止が、現在の状況を生んでいると思っています。

そういった思考停止が、何をもたらしたのか?について、よく考えて欲しいのです。

お金のあるところから文化に関しては資金が流れますので、そういうファストファッションやグローバル企業の資金によってマスコミや文化人が仕事を得た結果として、「ユニクロで良いじゃん」「プチプラOK」という流れになり、結果として、日本は、服を生産する能力をほとんど失ってしまっています。


1990年と現在の家計の支出を比べると、住居費や光熱費、食費などの割合はそれほど
変わらない(住居費の割合が上がり食費の割合が若干下がっている)のですが、服飾費だけ三分の一とか四分の一にまで減っています。

食費を抑える意外に簡単な方法とは? 老後破綻に陥らないためにできること〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161229-00000104-sasahi-bus_all

の想定では、世帯の手取り月収45万円の4人家族で、現在のひと月あたりの服飾費が15000円。
改善すべき服飾費が10000円になっています。

4人家族で10000円ということは、一人あたり2500円ということです。

これでは、絶対に日本で生産された服を買い続けることは不可能です。

世帯の手取り月収45万円というのは、現在ではかなり良い部類の方だと思います。
かなり良い部類の人が日本製の服を買えないのでは、日本で服が生産出来ないに決まっているのです。


筆者は、高校生の頃、アルバイト(時給510円でした)したりお年玉をためたりして、ひと月あたり8000円くらいの服飾費を捻出しておりました。
高校生でですよ。

その経験から言うと、ひと月あたり8000円なら、上手くやりくりすれば日本製の良質な服は十分買い続けることが出来るのです。
ひと月あたり8000円といっても、1年で見ると96,000円で、10年で960,000円になります。
この間にコートが何着必要か?ジャケットが何着必要か?と考えれば、十分に良い服も買えることが分かると思います。

ひと月あたり8000円は、不可能なのでしょうか?

おそらく、節約を訴えている方に悪気は無いのだと思いますが、ひと月の被服費を2500円に設定することが正しいという意見は、日本生産を結果的に不可能にしてしまうということです。


百貨店“大閉店時代”を迎えて、凋落する国内大手アパレル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170104-00000012-economic-bus_all
エコノミックニュース 1/4(水) 12:43配信
という記事がありますが、

私達はバブルだったから日本の服を着ていたわけでも、日本のアパレルが努力しなかったわけでもありません。
少なくとも、筆者が知り合った多くのデザイナーやパタンナーや工場の方々は、ものスゴイ努力を繰り返し、素晴らしい服を生み出している人達が居ます。(大手ではなく弱小ですが)それでも、こういう事態になっているのです。


日本人が、激安服の方に先導され、日本人が作ることが不可能な値段の服を当たり前だと思って買うようになってしまった結果、日本生産の服が2.8%にまで減ってしまい、文化的・社会的危機に陥ってしまったのです。

おそらく、普通の人々は、ただ節約しようと思ったのだと思います。
服に対する支出は減ったのかもしれませんが、結果的に文化的・社会的基盤を破壊してしまったということなのです。


これは、戦後、無秩序に杉の植林をしていって山が崩壊したり崖崩れになったり、花粉症になったりしたのと良く似ています。

もう一度、私達の生活について一から考え直した方が良いのではないかと筆者は考えています。


続きはこちら
http://guild3.exblog.jp/25132683/

コメント

_ なな ― 2017/01/08 11:58

年配の方と話をすると、「昔の服は高かったけれど、生地も仕立ても良かった。」と、おっしゃる。
高いが良い服を知っている世代が生きているうちに、その子弟の意志を刺激したらどうだろう?
また
貧富の差が大きくなり、貧困層と見分けがつかないユニクロは、貧困層に見られたくない中間層から忌避されるようになると、推理する。
ユニクロとアルマーニなどの中間の服を望む層が、今出てきているのでは?

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