サッカー日本代表ハリルジャパン ブラジル戦詳細分析2017/11/14 18:09

サッカー日本代表ハリルジャパン ブラジル戦詳細分析

12月1日にロシアのモスクワで行われるロシアW杯のグループリーグ抽選会のポット分けが行われるが、既に日本は第四ポッドに入ることが決定している。

第一ポッドは、開催国ロシア+FIFAランキング上位7チームで、ロシア、ドイツ、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチン、ベルギー、ポーランド、フランスが既に決定。

スペイン、イングランド、コロンビア、メキシコ、ウルグアイはポッド2
ということは、日本代表は、ドイツとウルグアイ・コロンビアのいずれか、あるいは、ブラジルとスペインと同組などという組み合わせも十分にあり得るということ。

つまり、日本がかつて手も足も出なかったレベルの国2つと同組になる可能性が十分あるのだ。
ということは、このレベルの国のうち、最低一つを倒すか、もしくは、2つと引き分けるだけのチーム力を付けないと、決勝トーナメント進出は不可能ということになる。

イタリアは、まさかの予選落ちで、イタリアとプレーオフを闘って勝利したスウェーデンなどは、第三ポッドで対戦する可能性もある。

そもそも、日本はランキングが一番下の第四ポッドなので、日本より格下のチームと対戦することは無い。

これを前提に考えなければならないということです。

さて、ブラジル戦ですが、立ち上がりの15分くらいを見直して見ると、意外にも良いプレーが多かったりしている。
何度もチャンスを作っている。
つまり、序盤の入り方自体は(前線からハイプレス)間違っていないとも言えます。

ブラジルというチームは、基本、試合のスタートは、全力で攻めてきて得点取ることが多いですが、それを防ぐ意味でも、最初はハイプレスというのは、理にかなっているということです。

ところが、ビデオ判定システムでPKを取られてしまった。
おそらく、どこまで先に失点しないか?が、この試合のポイントだったはずだが、それがあっけなく崩れてしまったわけです。

ブラジルは、0−0−の闘い方と、1−0の闘い方、2−0の闘い方を分けています。
それは、長年続けているので、ブラジル代表クラスの選手なら、皆、骨身に染み付いているものでしょう。

ブラジルは、1−0になったら、まず守備をガチガチにしてカウンター狙いに切り替えます。
特に、今回の代表チームは、4−3−3でしたが、フォワード3人(ジェズス、ネイマール、ウィリアン)だけでの攻撃も出来ますし、インサイドハーフの2人、ジュリアーノとフェルナンジーニョは、ウイング的にゴール前に飛び込んできて、5人攻撃も出来ますし、両サイドバック(マルセロとダニーロ)まで含めて7人で攻撃して、真ん中の3人で守るカタチも作れるオールラウンド型のチームを作っています(だから強い)

で、1−0になった時点で、前3人の攻撃に出来ますから、守備(ボール回し)に重点を置けるわけです。
その結果、日本のハイプレスがハマらなくなっていったわけです。
しかも、1−0の時点では、強烈なカウンターアタックを持っていますし、それが最もブラジルの長所となっているカウンターアタックです。
それに、やられました。(分かっちゃいるけど、止められない、強烈なカウンターアタックでした。止めるためには、あと二歩、三歩強くなる必要があります。)

詳しい戦術的な解説は、ライカールトさんの解説が、一番分かりやすいと思います。
number.bunshun.jp/articles/-/829283

それから、ビデオ判定システムの件ですが、ライカールトさんが、ビデオ判定システムの登場で、セットプレーは、マンツーマンからゾーンディフェンスに変更するチームが増えるとおっしゃっていましたが、そうかもしれません。

そもそも、今回もマンツーマン的に守備し過ぎて、かわされて一転大ピンチになったということも言えそう。

もうちょっと、ゾーンディフェンスの基本を思い出して、守備を整理する必要性もありそうです。


日本が先制された場面は、ビデオアシスタントレフリーの場面だったが、そもそもそのプレーが起きたコーナーキックを生み出したプレーがマズかった。

1失点目、吉田のミスばかりが取りざたされているが、そのきっかけになったのは、久保の前線からのチェイスから始っている。
ちゃんとボールホルダーにプレスをかけられていないどころか、意味不明に下がってきている。
ポジショニングも無茶苦茶である。

これがきっかけで、カウンターを許していて、決定的な場面を作られている。
「下がれ」、と誰かに言われたから下がったのか?とかは、よく分からない。


久保の守備は明らかに問題だった。

ポジショニングがマズい。
ボールを奪えていない。
戻るのも中途半端。

守備力を上げないと、このレベルでの先発は難しいなと。

これは、完全に守備を徹底的に鍛えるしかないだろう。
本番までに徹底的に守備のトレーニングを積む必要があると思う。

ただ、久保には、決定的に良い部分もあって、それは、裏への抜け出しとトラップの精度。

槙野の左サイドから久保への一発のパスで、局面を決定的に変えた場面が何度かあったが、あれは非常に有効だと思う。
あのプレーは、世界最高峰のチームにも通用する。
なので、守備を徹底的に鍛えてもらいたいと思う。

ただし、失点したのも、その有効な局面打開パスからだ。

右サイドで素晴らしい体制で久保がボールを受ける。
大迫が、戻りながらボールを受けようとしていたために、ゴール前で走り込むタイミングが遅くなった。

もし、大迫が間に合っていたら、久保から一発のパスで決定的な場面を作り出せたが、無理だった。

久保には、対面するマルセロと勝負して右から抜いて、折り返すという選択肢があった。

マルセロのポジショニングが絶妙だったこともあり、久保は、勝負出来なかった。

恐らく、自信があれば勝負出来たのではないかと思う。
タッチライン際でマイナスに折り返せれば、チャンスは大きく広がる。

久保の選択肢は、切り返すことだった。

そうしたら、慣れないトップ下に入っていた井出口が、スペースを消してしまっていた。

長友は、カウンターのリスクヘッジのために中途半端なポジショニングをしていた。

おそらく、長友がいつものように左サイドへ走り込んでいれば、バックパスして、左サイドに展開することが出来たが、それも出来ず、酒井宏のオーバーラップは、見えていなかったようだ。

結果として、ボールを最悪なカタチで奪われてしまった。


ピッチコンディションもあるかもしれないが、良い頃の久保であれば、縦に勝負出来ていたのではないかと思う。
縦に勝負出来ていれば、少なくとも、このような最悪のカタチでボールを失うことは無かったはず。

つまり、この場面では、縦に勝負する方がリスクが少なく、チャンスも大きかった。


もう一人、左サイドの原口の守備も問題だった。

3失点目は、長友が中途半端な位置に居たために攻撃出来ずにボールを嫌な位置で奪われたわけだが、逆説的に守備は可能な位置には居た。

なので、長友が自分の持ち場を離れて守備に奔走した。

ディフェンスは、とりあえず、速攻のままシュートを撃たれるのではなく、ディレイには成功した。
カウンター対策としては、良かったのだ。

その結果、長友のマーク担当のウィリアンのマークが外れた。

これをケアしなければならないのは、当然のことながら、長友と同サイドの原口である。

しかし、原口が、戻ってきたのは、なぜかボールホルダーの居る中央。
原口がケアすべきは、ウィリアンだった。

ウィリアンがフリーになったことで、日本の守備は完全にドタバタになってしまった。

ようするに、守備の決まり事・連携が全然出来ていなかった。
これが、守備が崩壊した原因である。

これは、徹底的に見直さないとダメだろう。


正直、原口は、体力的にも守備力もレギュラー確定と思われていただけに、今回の存在感の薄さは、極めて残念だった。
巻き返しを期待したい。



筆者は、この試合を見て、トルシエジャパンのアウェーでのフランス戦を思い出していた。

雨のサンドニ スタットドフランスで行われたジダン率いる世界チャンピオンフランスとの1戦。
結果は0-5

圧倒的な差だった。日本代表は、世界チャンピオンとの圧倒的な差を見せつけられていた。

今回のフランス・リールでの試合、あのフランス戦と似ていたのは、スコアだけでは無かった。

雨が降っていたのである。
フランスの芝は、日本の芝と全く異なる。

競馬でも、日本の馬が凱旋門賞などで全く歯が立たなかったのは、馬場の差にあった。

フランスの芝は長く、土は粘土質で力を必要とする。
まして、雨が降ると、日本のサッカーグラウンドとは全く異なる。


象徴的に、初めてフランスのピッチで闘うだろう井出口が滑りまくっていた。

おそらく、スパイクのポイント選択を間違えていたのだと思う。

それは、井出口だけの責任ではなく、用具の担当者など、様々含めて対処すべきことだったと思う。

そうしたちょっとした差が、決定的な差を生む。

井出口が2失点目にクリアミスしたのは、スパイクが合っていなかったのが原因だろう。
他にも、井出口は、相手アンカーのカゼミーロのケアを任されていたはずだが、ボールの出所を潰せなかったのは、スパイクが合っていなかったせいもあると思う。

後半、雨が止んできてからは、それなりに出来るようになってきていたから。


今回、ボールを奪いに行って簡単に剥がされて、一転大ピンチという場面が大変多く見られた。
そのあたりの改善は、当然必要だろう。


他にも様々あるが、本日は、ここまで。

明日の早朝はベルギー戦だ。
世界最高峰のタレントを誇る相手攻撃陣にどう対処するのか?楽しみである。


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