トヨタの広報役員が麻薬指定の鎮痛剤オキシコドンを個人輸入して逮捕と鎮痛剤の爆発的流行の問題点とは?2015/06/20 18:47

トヨタの広報役員が麻薬指定の鎮痛剤を個人輸入して逮捕されたニュースの件ですが


以下引用

トヨタ女性役員逮捕 オキシコドン乱用者が米で拡大「街中で違法販売」

麻薬取締法違反容疑で18日、警視庁に逮捕されたトヨタ自動車常務役員のジュリー・ハンプ容疑者(55)。グローバル展開する日本最大メーカーの「顔」が逮捕されるという事態に衝撃が広がった。密輸入したとされる医療用麻薬「オキシコドン」を含む錠剤などは、米国で痛み止めとして広く使われているものの、街中で密売され、多くの中毒者が出るなど社会問題化しているという。

 厚生労働省監視指導・麻薬対策課によると、オキシコドンは乱用により依存症となる恐れがあるため、「細かい制度は国によって違うものの、多くの国で規制されている」という。

 国内では、麻薬として医療機関などで厳重に管理され、医師の処方なしに入手することは難しい。治療のためであれば、個人が自身の荷物として海外から輸入することは可能だが、その場合も事前に医師の診断書を添えて厚労相に申請し、許可を得なければならない。

 同課によると、オキシコドンを輸入した麻薬取締法違反事件は珍しいという。

 一方、米国でも、オキシコドンは医師の処方が必要となるが、処方される機会は多く、一般的な痛み止めとして広く使用されている。その半面、多くの中毒者が出て社会問題となっている。


米国在住の大西睦子医師によると、歯科治療後の痛み止めや高齢者の慢性疼痛(とうつう)の治療などに広く使われており、2009年に急死した歌手のマイケル・ジャクソンさんが服用していたとも報じられた。ただ、砕いて吸うとヘロインと似た感覚が得られるとして、乱用者も拡大。「街中で違法に売られている」(大西医師)といい、米国立薬物乱用研究所は、12歳以上の米国人1600万人が過去1年間に、オキシコドンなどの痛み止めを医療目的以外で1回以上使用していると警鐘を鳴らしている。

以上引用
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150619-00000078-san-soci


オキシコドン (oxycodone) とは、アルカロイド系の鎮痛剤の一種。アヘンに含まれる成分のテバインから合成される。塩酸塩(塩酸オキシコドン)の徐放製剤「オキシコンチン錠」・速放製剤「オキノーム散」(ともに塩野義製薬製造販売)、複方オキシコドン(ヒドロコタルニン酸塩酸塩との合剤)注射剤「パビナール」(武田薬品工業製造販売)が日本で販売されている。
分子式は C18H21NO4、分子量は 315.364、CAS登録番号は [76-42-6]。
中~高程度の疼痛を緩和するために用いられる。オピオイド受容体にはたらき鎮痛作用を示すものと考えられている。

wikipedia



実際に、鎮静剤の乱用が米国で広がっているようです。


以下引用

オキシコドン輸入事件で、久々に処方薬乱用について

前略

オキシコドンといえば、アメリカで処方薬の乱用が話題になるときに、必ず名前が挙がる薬です。あへんに含まれるアルカイドの一種テバインから合成されるオピオイド系の鎮痛薬で、医療の分野では長く使われてきました。日本では麻薬(ジヒドロヒドロキシコデイノン。別名オキシコドン)として厳格に管理され、米国ではスケジュールⅡ薬物に指定されています。この区分は、乱用のおそれが高いが、合衆国内で現に医療用途に使われているものに適用されています。


↑オキシコドン(オキシコンティン)
DEA Multi-Media Libraryより転載

オキシコドン(商品名はオキシコンティンなど)は、医師が処方する薬で、処方せんなしで手に入れることはできません。ところが、こうした医薬品が乱用目的で出回り、乱用が広まっているのです。
米国では2010年ころから、処方薬の乱用が急速に広まり、過量摂取(オーバードーズ)事故で救急搬送される患者の増加や、死亡事故の発生などが問題になってきました。とくに、オキシコドンなどのオピオイド系鎮痛薬の乱用を続けると、次第に摂取する薬の量が増え、事故につながりやすくなるといいます。オピオイド系鎮痛薬には、ヘロインやモルヒネと同じように、呼吸抑制作用があり、過量摂取や、他の中枢神経抑制薬との併用によって、生命に危険を及ぼす呼吸抑制が起こることがあります。
また、使用量が増えた乱用者のなかには、より少量で同じ作用を得られるヘロインに乗り換える人も出てきて、近年の米国では、ヘロイン乱用が思いがけない増加をみせている地域があります。


米保健省の物質乱用及び精神保健サービス機構 Substance Abuse & Mental Health Services Administration(SAMHSA)の全米調査によると、2012-2013年のオキシコドンなどの処方せん鎮痛薬乱用は、次のような状況になっています。
・調査前の1月以内に処方せん鎮痛薬を使用した人は、推計4500万人
・この1年以内に、初めて処方せん鎮痛薬を医療用途以外で乱用した人は、推計150万人
・処方せん鎮痛薬を初めて使用した平均年齢は、21.7歳


米国で処方薬の乱用が大きな問題になったのは、2010年ころのことですが、いまだに問題は終息せず、乱用される薬品の代表格も、その後、ブプレノルフィン、トラマドールと変化しながら現在に至っています。

後略

以下全文は
blogos.com/article/117658/


鎮痛剤中毒の問題につては

以下引用

アメリカ人の死亡原因、薬物使用が飲酒を超える(インフォグラフィック)

前略
6. 問題は、特に北東部で、鎮痛剤やヘロインなどの使用が増加したことだ。


5. 飲酒よりも薬物の使用が原因で死亡する数が、2000年頃から増え始めた。

上の地図では、薬物中毒の治療対象となった薬物で最も多く挙げられるものを州別に示している。緑色はマリファナ、オレンジ色はアヘン類縁物質、赤色はヘロイン(アヘンに含まれるモルヒネから作られる麻薬)、黄色は覚醒剤だ。

アメリカでは、鎮痛剤や睡眠剤など処方薬の中毒になる例が増えており、過剰摂取による死亡数も上昇している。死亡原因の内訳は、鎮痛剤に使われるオピオイド系薬物の関与が最多。鎮静催眠剤であるベンゾジアゼピン系薬物が第2位、3位に抗うつ薬が続く)。
以上引用
huffingtonpost.jp/2014/10/24/state-of-drug-use-in-america_n_6039586.html


鎮痛剤に使われるオピオイド系薬物って何??

以下wikipedia

オピオイド (Opioid) とは、ケシから採取されるアルカロイドや、そこから合成された化合物、また体内に存在する内因性の化合物を指し、鎮痛、陶酔作用があり、また薬剤の高用量の摂取では昏睡、呼吸抑制を引き起こす[1]。このようなアルカロイド(オピエート)やその半合成化合物には、モルヒネ、ヘロイン、コデイン、オキシコドンなどが含まれ、また合成オピオイドにはフェンタニル、メタドン、ペチジンなどがある[1]。これらは本来的な意味で麻薬(narcotic)である[1]。オピオイドとは「オピウム(アヘン)類縁物質」という意味であり、これらが結合するオピオイド受容体に結合する物質(元来、生体内にもある)として命名された。内因性のオピオイドにはエンドルフィン、エンケファリンなどがある。
オピオイド薬の使用には、オピオイド依存症(英語版)や、離脱症状、また過剰摂取による死亡の危険性がある。アメリカでは、薬物中毒死の43%までも、オピオイド医薬品の過剰摂取で占めており[2]、2014年にもアメリカ神経学会は頭痛、腰痛、線維筋痛症などの慢性疼痛状態では、オピオイドの使用は危険性の方がはるかに上回るという声明を行っている[3]。

ガイドライン
2014年には、アメリカ神経学会がオピオイドによる死亡増加から声明を出しており[4]、頭痛、腰痛、線維筋痛症などの慢性疼痛状態では、薬剤使用の利益を危険性の方がはるかに上回るとした[3]。これは最良の方法を挙げており、処方を行う前に処方データ監視プログラム(PDMP)を確認することや、1日にモルヒネに換算して80~120mgに相当する場合には、疼痛管理の専門家に相談することが含まれている[3]。


依存症
詳細は「en:Opioid dependence」を参照
オピオイド依存症は、当初想定していたよりも使用量が増加し、離脱症状を呈する、薬物の使用が制御できない、またそれらによって引き起こされた機能的な状態が重症であるなど、いくつかの診断基準を満たした場合に診断されうる。
アメリカでは、2000年以降にヘロインを乱用した者の75%が、処方薬のオピオイドによって乱用を開始している[5]。


離脱症状
「離脱」も参照
オピオイドによる離脱症候群には、渇望、不安、不快、あくび、発汗、立毛(鳥肌)、流涙、鼻漏、不眠、吐き気や嘔吐、下痢、けいれん、筋肉痛、また発熱が含まれる[1]。
モルヒネやヘロインなどの短時間作用型の薬物では、離脱症状は最後の摂取から8~12時間以内に発症し、48~72時間でピークに達し、7~10日後にかけて消えていく[1]。メタドンなどの長時間作用型の薬剤では、離脱症状の発症は1~3日であることもあり、一般的により軽度の症状が長く続く[1]。
遷延性離脱として、上記のような急性の離脱症状に続き、数週間から数か月にわたってあまり明確ではない症状が生じることがある[1]。
過剰摂取による死亡

縦軸:依存性:上に行くほど依存性の可能性の高い物質。横軸:右に行くほど活性量と致死量が近い。[6]
オピオイドは、作用量と有毒域が近いため薬事法における劇薬に指定されている。
アメリカでは、医薬品のオピオイドによる死亡は、他の医薬品や違法薬物を抜いて最多であり、2010年の死因ファイルによる38,329例の中毒死のうち16,651(43%)を占めている[2]。オピオイド系鎮痛薬による中毒死は、アメリカでは1999年から2011年とを比較するとおよそ4倍に増加した[7]。
薬物相互作用[編集]
オピオイドにベンゾジアゼピン系の薬物が加わることで、死刑執行にも使われるような組み合わせとなり、意図しない死亡事故が生じやすい[8]。

薬動力学的相互作用
アメリカの処方記録によれば、2000年代に、オキシコドンや、アセトアミノフェンとヒドロコドンの合剤であるVicodinのようなオピオイドと、アルプラゾラムやロラゼパム、またクロナゼパムのようなベンゾジアゼピン系の薬剤の処方はそれぞれ増加した[8]。2010年には、検視官から提出された死亡診断書など死因ファイルの調査によって、22,134例の医薬品による死亡のうち16,651例(75%)がオピオイドが関与したものであり、そのほぼ30%はベンゾジアゼピンが組み合わさったものであった[2]。このような相互作用による中毒死は、1999年には13%であり、2011年には31%であった[7]。
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、ベンゾジアゼピン系薬剤のような中枢神経抑制薬のほか、アルコール、ワルファリンのような抗凝固薬など、抑制作用を増強させる薬剤の併用によって抑制作用が増強される可能性がある[9]。

wikipdia

オピオイド系鎮痛薬には、以下のような種類があるそうです。

以下引用

○オピオイド系鎮痛薬↓と麻薬拮抗性鎮痛薬↓
オピオイド
鎮痛薬 受容体 (μ受容体)
μ κ δ  
モルヒネ ◎ ○ ○ アヘンアルカロイド
フェンタニル ◎ ○ ○ オピオイド系鎮痛薬
レミフェンタニル ◎      
オキシコドン ◎     半合成鎮痛薬
メサドン ◎     合成オピオイド
メペリジン
ペチジン ○     合成オピオイド
コデイン ○     アヘンアルカロイド
ブプレノルフィン △ × ◎ 部分作用薬
トラマドール △     部分作用薬
タペンタドール        
ペンタゾシン △ ◎ × 麻薬拮抗性鎮痛薬
ナロルフィン       麻薬拮抗性鎮痛薬
ブトルファノール △ ◎ × 麻薬拮抗性鎮痛薬
レバロルファン       麻薬拮抗性鎮痛薬
エプタゾシン × ○   麻薬拮抗性鎮痛薬
ナルブフィン   ○    
ナルフラフィン   ○    
ナロキソン × × × 麻薬拮抗性鎮痛薬


◎:強作用性オピオイド:天井効果がないオピオイド
○:弱作用性オピオイド:天井効果があるオピオイド
△:部分作動性
×:拮抗


shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/analg-opioid.html


以下wsjの記事のまとめ(全文はリンク先を参照のこと)

米のオピオイド鎮痛剤まん延で知っておくべき5つのこと

1 危機の始まり

1990年代以前 非常に強い鎮痛剤であるオピオイド系鎮痛剤は一般的に、がんの激しい痛みを訴える患者に処方するために医師が確保していた。

90年代半ばに新たなオピオイド系鎮痛剤の販売促進が強力に進められた結果、より日常的な痛みに対してもオピオイド系鎮痛剤が広く処方されるようになった。

鎮痛剤の闇市場も形成され、地方で多くの中毒患者が発生した。連邦政府が不正な薬剤取引の取り締まりに乗り出すと、同じくオピオイド系である安価なヘロインが市場になだれ込んだ。


2 過剰摂取による死者が急増

 米疾病対策センター(CDC)によると、米国では2013年にオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取で死亡した人の数は1万6235人に上り、99年の約4倍に増えた。
ヘロインの過剰摂取による死亡者数は1960人から8257人に増えた。薬物を過剰摂取するケースが頻繁に起きているため、オピオイド系鎮痛剤の解毒剤を携帯している警官や救急隊員は多い。


3 血液を媒介にした感染症が広がっている

患者は注射針を使い回しているため、感染症が広がっている。CDCによると、10年から13年までの間に米国で新たにC型肝炎にかかっていることが分かった患者の数は2.5倍に増えた。
HIVが広まっている可能性があるとの懸念が生じている。


4 地方のコミュニティーは危機への備えができていない

5 薬物まん延による損失は大きい

 中毒患者数や薬物の過剰摂取による死者数、血液を介した感染症の患者の数を見れば、どれくらいの人的被害が出ているかは既に明らかだ。財政面での損失も深刻なものになるだろう。

以上引用
jp.wsj.com/articles/SB12208919310003153678304581058901188965570

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック