米ドル1極支配を終わらせる本命 BRICS開発銀行が遂に登場2014/07/17 21:47

2011年7月15日は、おそらく歴史に刻まれる1日になると思います。

遂に、米ドル1極支配を支えてきたブレトンウッズ体制の後を担う本命BRICS開発銀行が登場したからです。


以下引用

【フォルタレザ(ブラジル北東部)朴鐘珠】新興5カ国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議が15日、ブラジルのフォルタレザで開かれた。5カ国首脳は新興国や途上国の社会基盤整備支援を目的とした「新開発銀行」と、5カ国が金融危機の際に資金を融通しあう外貨準備基金の設立に合意する「フォルタレザ宣言」に署名した。1944年に結ばれたブレトンウッズ協定の下、70年にわたって世界銀行と国際通貨基金(IMF)が担ってきた欧米主導の国際金融秩序に変化をもたらす動きとして注目される。

 新開発銀行の本部は中国の上海で、資本金は1000億ドル(約10兆円)に設定。うち500億ドル分はBRICS加盟国が100億ドルずつ出資することで合意した。運営開始時期について、各国の批准や法令改正などの準備を経て2016年開始を目指すが、ブラジルのルセフ大統領は記者会見で「できるだけ早期」と述べるにとどまった。要職は加盟各国が持ち回りで分担し、初代総裁はインドから選出される。

 外貨準備基金には加盟国全体で計1000億ドルを拠出するが、中国の拠出額が最大で410億ドルになる見込み。ブラジル、ロシア、インドが各180億ドル、南アが50億ドルを負担する見通し。BRICSは以前から、世銀とIMFの政策に途上国の意思が公平に反映されていないと指摘してきた。今回の宣言でも「10年に採択されたIMF改革案が実行されないことに失望し、深刻な懸念を持っている。IMFの正当性、信用性を傷つけている」と厳しく批判した。

以上引用

以下略 全文は
mainichi.jp/select/news/20140716k0000e020205000c.html



以下産経

BRICS、南米諸国と関係強化 米国への対抗姿勢鮮明に 首脳会談、新開発銀行を評価
2014.7.17 10:23

16日、ブラジリアのブラジル外務省で記念撮影する新興5カ国(BRICS)と南米の首脳(共同)

 【ロサンゼルス=中村将】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は16日、ブラジルの首都ブラジリアで南米諸国と首脳会議を開いた。BRICSは、反米左派政権が多い南米諸国との関係強化をアピールすることで、米国への対抗姿勢を鮮明にした。

 首脳会議には、BRICSの一角であるブラジル以外の南米全11カ国の首脳が出席した。

 ブラジル紙、フォリャ・デ・サンパウロ紙によると、南米首脳らは15日のBRICS首脳会議で設立が決まった「新開発銀行」を評価した。再デフォルト(債務不履行)の危機にあるアルゼンチンのフェルナンデス大統領は米国主導の金融システムに触れ、「不公平がはびこっている」とし、新開発銀行からの支援に期待を寄せた。

 ボリビアのモラレス大統領も「世界は新しい国際金融秩序を必要としている」と述べた。

以上引用
sankei.jp.msn.com/world/news/140717/amr14071710230003-n1.htm




BRICS開発銀行が面白いのは、宗教的、人種的、歴史的に全く異なる国が、共同して現体制の問題点を補完するための機能を提言しているところだ。




中国は儒教文化圏、
インドはヒンドゥー教文化圏、
ロシアは正教会文化圏、
ブラジルはラテンアメリカ文化圏、
南アフリカはブラックアフリカ文化圏に属する。


歴史的に中国やロシアは統一国家として存在してきた。
インドが1つの国家として纏まったことはイギリスの統治による部分が大きい。
ブラジルはポルトガルの植民地、
南アフリカはイギリスの植民地として形作られた。

中国は中国語圏、ロシアはロシア語圏、南アフリカは英語圏、ブラジルはポルトガル語圏、インドはヒンドゥー語圏に属する。
中国は東アジア、南アフリカはアフリカ、ロシアはヨーロッパ、インドは南アジア、ブラジルは南アメリカに属する。

wikipedia


そして、中国やロシアは、旧共産圏であるし、他は自由主義圏の国々である。



このように、人種や言語、宗教や生活習慣の違う国々が、発展途上国の開発に対して資金を投資する。


それは、世界の多様性から考えると、ごく自然なことが分かる。



世界の多くの人々は、中国共産党が圧倒的な力を持つことを警戒するが、これらの多様な国々が連携して現在の行き過ぎた資本主義に対する対抗軸を持つことに関しては、大歓迎であるはずだ。





しかし、同時に、これは現体制に対する大本命であるが故に、世界勢力の利権に関わり、戦争の危険が増大しているのも、また事実。



これと同時に起きたいろいろな出来事は、このBRICS開発銀行の登場に対抗する措置であった可能性が高いと思います。


イスラエルによるパレスチナ爆撃、イラク戦争、ウクライナ紛争などは、この体制に対する対抗措置の結果として起きていると思います。

こんなこともありました。
モスクワで地下鉄脱線、21人死亡160人超負傷 2014/7/16 1:44 日経 http://s.nikkei.com/1sk53uS



特に、ウクライナ紛争は、ロシアの体制を揺さぶるものでしたが、EUの主要国の多くは、反ロシアにはならないようです。

以下引用


対ロシア経済封鎖導入に反対しているのは、イタリア、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オーストリア、ブルガリア、ギリシャ、キプロス、スロヴェニアの9か国。
先に伝えられたところでは、ロシアに対する新たな分野別制裁導入に関する決定が、15-16両日に開かれるEUサミットで採択される可能性があるとの事だった。
イタル-タス
japanese.ruvr.ru/news/2014_07_15/274667511/


筆者は、英国の一部も、BRICSが、ある程度勢力を確保することを受け入れていると見ています。
(元々英国は、米ドル一極支配体制の前は、多極的支配体制を敷いていました。)

習近平の覇権戦略 2014年7月10日   田中 宇
http://tanakanews.com/140710china.htm
も参考に


以下引用


中国の覇権戦略は、米国の覇権体制より、その前の英国の覇権体制に似ている。第二次大戦後の世界は、米国の単独覇権体制だった(米国は当初、国連安保理常任理事国に象徴される多極型の覇権を希求したが、英国に冷戦を誘発され潰され、単独覇権体制になった)。それ以前の第一次大戦までの世界は、英国がフランスやドイツなど列強を誘って世界を分割して植民地支配し、英国が他の列強より少しだけ秀でる、多極型を採り入れた隠然覇権体制だった。


中略


リーマン倒産の直後、基軸通貨としてのドルの終わりが米欧の政界やマスコミで語られ、IMFの準備金制度の単位であるSDR(世界の主要諸通貨を加重平均したもの)がドルに代わる基軸通貨として取り沙汰された。米国がIMFの決定権を手放さなかったため、その後SDRは基軸通貨として実用化されていないが、今回のBRICSの多国間スワップ制度は、SDRよりも現実的な、すでにいくつかの2国間で開始されている、ドルに代わる決済(基軸通貨)体制として注目すべきものだ。

 BRICSのスワップ体制には事実上、ユーロも参加している。EUの3大国であるドイツ、フランス、英国は、いずれも最近、中国と協議して、人民元とユーロやポンドを交換する決済所を創設した。前回の記事に書いたように、フランスは米国がBNPパリバ銀行に対する嫌がらせの巨額罰金を科したので、報復として貿易のドル決済を減らしてユーロ決済を増やすと表明している。ドイツも、先日のスパイ事件で米国への信頼を失い、ドイツ政府内にまだいそうな米国のスパイを探す策を強めている。NATOの同盟関係(相互信用)は崩壊しつつある。


以上引用


ということで、おそらく、BRICSによる経済体制は、世界の30%を占めるまでは、比較的すんなりといくのではないかと見ています。

おそらく、ごく近い将来、世界の70%は、ドルを基軸通貨として使わなくなるのではないでしょうか。


もちろん、対抗しているのは米国というか、米ドルの権利しか持っていない勢力ですが、そのあたりは、櫻井ジャーナルさんを読みましょう。



カネ儲けに目が眩み、世界制覇を夢見、カルトの世界観に支配された人びとが人類を破滅へと導く
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201407130000/


アルカイダやネオナチを使い、破壊と殺戮を世界に広めている米国と集団的自衛権で結びつく危険性
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201407150000/


キエフ政権に東部で大攻勢をかけさせている米国に見切りをつけたBRICSがIMFに替わる銀行を創設
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201407160000/



で、アーミテージ、ナイ来日となるわけですが、そのあたりはまた後日。


関連
『ユダヤ人』は、なぜ殺されたのか??(原爆ホロコーストと『ユダヤ人』大量死の関係とは??)1/2
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/08/21/6953639

『ユダヤ人』は、なぜ殺されたのか??(原爆ホロコーストと『ユダヤ人』大量死の関係とは??)2/2
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/08/22/6954683

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック